2016
12.12

人工知能と創造性

今年(2016年)7月12日(火)NHKクローズアップ現代「進化する人工知能、ついに芸術まで」という番組を見た人はいるでしょうか。人工知能に17世紀のオランダの画家レンブラントを学ばせて、人工知能がレンブラントその人となって絵画を描くという話です。1年半かけて300ものレンブラントの作品を、絵の具の塗りの厚さまで人工知能が学ぶとともに、ディープラーニングという新しい学習方法により、人工知能自身でレンブラントの特徴を気付きながら学習していく、そして学習したレンブラントの技法に基づき、人工知能が肖像画を描き、描いた肖像画を3Dプリンターでプリントアウトすると、でき上がった作品はレンブラントそのもので、ちょっとやそっとでは見分けがつかない、きわめて高い芸術性をもっている、という内容です。
音楽や文学も含めて、人間しかできなかった創造的行為を人工知能により可能となる時代がすぐそこまで来ていて、人工知能が作り出した作品は芸術なのか、ということが番組では問題提起されていました。
人工知能がますます発達していったら、クリエイティブな分野の仕事は、人工知能が行うようになっていき、ものづくりの分野では人工知能の指示を受けたロボットが行うようになって、今まで人間が行っていた仕事を人工知能が代替するようになるのではないか。もっと端的に言えば、工芸高校で学んでいる生徒諸君の職業選択や、活躍の場がせばまってしまうのではないか、ということが気にかかります。
人間にしかできないものづくり、デザイン、創造があるということを信じたいし、人工知能がどんなに発達しようとも、この学校で培われる感性や創造性はこれからの社会になくてはならないものであると思います。しかし、人工知能にはできない人間にしかできないものづくりやデザイン、創造とは何か。将来の人口知能が何ができるのかが分からないので、何とも答えにくい問いです。ものづくり、デザインに関わっていく人間が考えていかなければならない課題でしょう。私たちは人工知能の追随を許さないデザインやものづくりの結果をもって答えを示してかなければならないかもしれません。

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