2017
02.06

プレゼンする力

今からちょうど10年前、2007年1月、アップル社CEOのスティーブ・ジョブズがきわめて印象的な新製品のプレゼンを行いました。
スティーブ・ジョブズは長そでをまくり上げた黒いTシャツを着て、ジーンズを履き、ゆっくりと広い舞台に現れると聴衆に語り始めました。「This is a day I’ve been looking forward to for two and a half years.」一体、何を語り始めるのだろう、2年半も待ちわびていた新製品とはどんな製品だろう、と聞いている人々にとってきわめて魅力的な語りかけでした。スティーブ・ジョブズは続けます。「(日本語訳)数年に一度、すべてを変えてしまう新製品があらわれます。それを一度でも達成することができたならば幸運だ。アップルは何回かその機会に恵まれました。1984年、MACを発表し、PCを変えてしまいました。2001年の初代ipodを発表し、音楽の聴き方だけでなく、音楽業界を変えてしまいました。本日、革命的な新製品を3つ発表します。」聴衆はさらにスティーブ・ジョブズのプレゼンに引き込まれ、MACやipodに匹敵する新製品は何だろう、しかも3つも新製品があるとは驚きだ、ともっと話を聞きなくなります。そして、このあと3つの新製品を発表すると言いながら、実はそれは一つの新製品に組み込まれている機能であることをスティーブ・ジョブズが種明かしし、その新製品が2007年に発表されたiphone でした。
スティーブ・ジョブズは、アップル社が世の中に送り出した新しい情報機器を発表する際に、毎回印象的なプレゼンを行ないました。その技術を学ぼうという趣旨の書籍、ビジネス書、ホームページはたくさんあります。このiphoneのプレゼンもいろいろと分析されていて、どうしてあのようにきわめて強い印象を人々に与えたのか、ということを大勢の人たちが述べています。また、舞台裏情報のようなこともWEB上に書かれていて、例えば、スティーブ・ジョブズはプレゼンを完成させるのに6日間も費やしたとか、実はこのプレゼン段階ではiphoneは技術的に完全ではなく、インターネット回線がすぐに切れてしまうことがあるため、アップル社の技術者が会場にプレゼン専用のwifiを設置していたとかあるようです。
そんなことをすべて含みながら考えても、プレゼンとは何か、どんなプレゼンが人々に受け入れられ、強い印象を与えるのか、目的を達成するための有効な語りかけはどのようにすればよいか、といった観点から見て、スティーブ・ジョブズのプレゼンは多くの人のお手本となるのではないかと思います。
さて、都立工芸では専科の授業を中心にプレゼンの実践が多く取り入れられています。特に3学期は学年末ということもあり、進級や卒業に向けて作品のプレゼンを行うことも多いのではないでしょうか。みなさんの中には人前で話をするのが苦手という人もいると思いますが、何回もプレゼンを行っていくうちにだんだんと慣れてきます。人前で話をするときにはこの慣れるということがとても大事で、練習を行っていくうちに、相手に伝えたいポイントをどうしたら明確に伝えられるか、といったことも次第に身に付くように思います。
皆さんがこれからどんな進路に進んでいくかは人それぞれですが、進学や就職するときに面接ではなく、プレゼンを行うこともあると思いますし、就職後にお得意様相手に制作したデザインの売り込みのため、プレゼンを行なわなければならないこともあるでしょう。みなさんには都立工芸在学中にプレゼンする力を身に付けてもらいたいです。

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