2017
02.07

パラリンピアンの苦労の一端に触れてみた

私は学校が休みの日には地元のスポーツセンターでスイミングをしていています。1kmを30分かけて泳ぎ、その後15kmぐらいのランニングを1時間半行います。寝不足であることも多いので、泳ぎながら、あるいは走りながら寝てしまうのでなないか、と思うときもあります。実際に走りながらボーとしていて転倒し、ひどいけがをしたこともあります。寝不足で運動するのは危険なので、みなさんはそのようなことをしないでください。
さて、昨年のリオ・オリンピックの後に続けて開催されたリオ・パラリンピックを見て、パラリンピアンの活躍に感動した人も多いと思います。先日、スポーツセンターに行ったところ、障がい者スポーツ大会が行われていて、会場の一角でパラリンピアンが競技で実際に使用した義足が展示されていました。とても興味があるのでしげしげと眺めていたところ、係の方が詳しく説明してくださいました。例えば膝がある競技者の義足は、膝部分にすっぽりとはまるシリコン製のカバーのようなものを装着し、そのシリコン製のカバーに付属している金具でカーボン製の義足を固定するようになっていました。当然競技者全員の体の大きさは異なるので、一人一人に合わせたオーダーメイドで作成するということでした。膝のない競技者用の義足は関節部分が金属で作られていて、(素材が何であるか聞きそびれました。)同じように腿にフィットするように作られていました。両方の義足を持たせてもらいましたところ、想像以上にずっしりと重い。特に膝がない競技者用の義足は相当な重さがありました。「重いものですね」と聞いてみたところ、競技をする際には体のバランスがとても大事で義足を軽くしてしまうと、バランスが崩れて走ったり跳んだりすることができなくなってしまう、ということでした。しかし、健常肢より義肢を少しだけ軽く作ることが多く、その重さのバランスを取りながら競技ができるようになるためには、腹筋や背筋を始めとして全身の筋力の向上が必要だという説明がありました。また、競技内容(跳躍なのか、短距離走なのか、長距離走なのかといったこと)による運動特性に向いた義足が作られているため、その性能を十分に生かすことができるようにトレーニングを行っていくことも大事だということでした。おそらく義足のような器具を使ったパラリンピアンのトレーニングは非常に過酷で、(リハビリが過酷である以上に)体を器具に慣れさせるだけでも大変なのに、その上で競技者として記録に挑戦していくには強靭な精神力も必要であるのだろうと思いました。
義足が一ついくらかというお話も聞きましたが、職人さんのハンドメイドで何10万円以上するものは当たり前であるそうです。カーボンファイバーがとても高価な素材であるということでした。そしてこうした義足を作る職人さん(義肢装具士)は国家資格が必要なのだそうです。専門の会社に勤めていることが多く、注文生産を行っているということでした。義足は一人一人異なるので、使用する人とのコミュニケーションがとても大事だということでした。同じものづくりでも、こうした医療器具のものづくりもやりがいのある仕事なのだろうと想像しました。
東京2020ではパラリンピンピアンの活躍を間近で見ることができそうで、とても楽しみです。義足だけでなく、パラリンピアンが使用する様々な器具類(例えば車いすなど)の技術は日進月歩でどんどんと革新していっているとのことでした。この何年かで新しい素材が使われるなどにより、よりフィット感が高く、使用者の利便性に配慮したものが作られるようになっているとのことです。競技用の器具の革新は、特に競技を行わない人の使用する器具にも応用されるようになり、パラリンピアンの活躍が社会全体にその恩恵を与えていくことは間違いありません。そして私たちは、社会にはいろんな人がいて、もちろん障がいをもっている人もいて、それぞれの分野でがんばっていることが、社会全体を豊かにしていることをもっと知っていく必要があります。そして、そうしたがんばりがきちんと評価される世の中でなければならないと私は考えています。

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