2017
04.07

平成29年度入学式 校長式辞

春4月、満開の桜に祝福された今日この良き日に、東京都立工芸高等学校に入学された新入生の皆さん、入学おめでとうございます。そして、入学式に御出席いただきました保護者の皆様、本日はまことにおめでとうございます。
また、御多用にもかかわらず、御来賓の皆様には本校入学式に御出席いただきましたことを、心より御礼申し上げます。

さて、東京都立工芸高等学校は、明治40年1907年、東京府立工芸学校として、東京府京橋区築地の地に開校以来、本年をもって110年、卒業生22000人を超える伝統校として現在にいたっています。来月5月28日には、文京シビックセンターで創立110周年記念式典を挙行します。都内唯一の「デザイン」「ものづくり」の専門高校として、確固たる地位を占めていると自負していますが、こうした都立工芸に対しての社会からの信頼は一朝一夕ででき上がったものではありません。文化勲章を受勲された方、人間国宝となられた方、叙勲や褒章を受けられた方、デザイナーとして、あるいはクリエーターとして、各界の第一線で活躍している卒業生たちが、営々と築き上げてきた賜物です。都立工芸を目指して入学した新入生の皆さんの多くが、こうした卒業生たちにあこがれを抱き、将来デザインやものづくりの仕事に就きたいと考えていたり、美術系大学に進学したいと考えていたりしていると思います。ぜひ優れた業績を残してきた卒業生のあとに続き、創造性豊かなデザイナー、クリエーター、ものづくりを担う職人、技術者などを目指していただきたいと思います。

では、どんな高校生活を送ったら、将来自分の希望する就職や進学をすることができるようになるのか。私から二つ新入生にお願いがあります。一つめは毎日決められた時間に学校に通い、先生方から求められた学習や実習の課題にきちんと取り組むことです。このことは、高校生として当たり前のことですが、この当たり前のことがなかなかできなくて、学習や実習に遅れが生じてしまう人が毎年のようにいます。特に時間通りに登校することはとても大事です。遅刻の常態化は学校での学習や実習に対する意欲の低下を招くだけでなく、緊張感のゆるみから実習中のケガにつながります。電車通学をする人が大半だと思いますので、電車の遅延を見越して、時間に余裕をもって登校すること。そのための生活のリズム、すなわち毎日の就寝時間や起床時間をきちんと確立すること。
二つめは、クラスメートや上級生と切磋琢磨して、自分を高める努力をしてください。これまで友だちとの人間関係を円滑に構築することが上手ではなかった人もいると思います。都立工芸には、都内全域からの入学生がいます。クラスメートは初めて会った人ばかりで、知っている人がいないというのが普通です。すぐに友達を作らないと学校生活が不安かもしれませんが、時間は十分にありますので、急がずゆっくりと友達や知り合いを作っていってください。そして仲良くなったら、作品で互いに競争してください。毎年の新入生からは、都立工芸入学前、自分は誰よりも絵が上手だと思っていたけれども、入学したら私より上手な人がたくさんいた、ということをよく聞きます。自分より絵が上手であったり、手先が器用であったり、発想が豊かで大胆であったりする人が大勢いるからこそ、皆さん一人一人の知識、技術、発想力、感性の鋭さといったことの向上につながります。同じ学年の同じクラスの人だけではなく、上級生にも大勢そうした人がいることでしょう。そうした人たちをぜひ切磋琢磨すること。

保護者の皆様、都立工芸での高校生活を教職員一同は全力でお子様の成長の支援させていただきたいと思っています。しかし、高校生活ではよいことばかりが起きるわけではありません。おうちで愚痴を言うこともあるかもしれませんし、憎まれ口をたたくこともあるかもしれません。また、成長の過程で子供たちはいろんなことを感じ、時には保護者にとって思いも寄らぬ行動を取ることもあるかもしれません。そうした時、一番お子様の力になるのは、お父様、お母様、保護者の方々のお子様を支える力です。学校と家庭とでしっかりと連携して、これから始まる高校生活を進めたいと思います。高校時代には人間の一生を決定づけるような出会いがあります。お子様の人生が幸せなものとなるように、私たちも頑張りたいと思います。御理解と御協力をお願いして式辞といたします。

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