2017
10.20

新しい仕事と資金の集め方

2学期始業式では「Youtuber」を例に挙げて、これから生まれてくる職業や仕事の話をしました。

新しい職業や仕事は一体どこから生まれてくるのでしょうか?

今までになかった新しい仕事を始めた人の話を聞くと、「へえ、なるほどね」と思うことが多く、アイディアはいろんなところに転がっているということを強く感じます。そこらに転がっている仕事の素材を、実際に事業として立ち上げ、仕事に結びつけることができるからこそ、起業家は、多くの人たちから感心されるような新しい仕事を生み出すことができるのでしょう。

ちょっと前に、テレビで放映されていた新しい仕事は、お客さんをインターネットで募集するレストランでした。ホームページに日時と場所(都内の交通の便がいいお洒落なマンションの部屋)、料理の内容、値段をアップし、それを見た人がインターネットで申し込みます。当日は申し込んだ何人かのお客さんがやってきて、初対面ではありますが、お料理の話や、お料理にまつわるいろんな話を互いに楽しみながら会食をするというレストランでした。イベント屋のようでもあり、パーティを企画する会社のようでもあり、今まで無かったけれども、こういうのがあったら楽しいなあと思って、ある女性が始めたことが仕事として成立していました。

アイディアを実際に仕事として成立させるためには資金が必要です。やっぱり先日テレビを見ていたら(テレビの話ばかりで恐縮ですが)、「クラウドファインディング」という新しい資金の集め方を紹介していました。新しく仕事を立ち上げたい人(いわゆる起業家と言われるような人から、企業の中にいて企画の立ち上げを任された人まで様々な人たち)が、クラウドファインディングの会社に資金を集める依頼をします。すると、その会社は依頼があった立ち上げたい仕事の内容を審査して、大丈夫と判断すればウェブ上に目標金額を設定してアップします。ウェブを見た人たちの中で、その新しい仕事の立ち上げに投資したい人が、小口の資金(5万円からだそうです)を提供します。目標額を達成したら募集を締め切り、仕事を立ち上げたい人の起業の資本とするという方法です。

先日始業式でお話したVALUもYoutuberが資金を集める新しい方法で、動画を作成する資金をYoutuberその人に対して投資する方法でした。

かつて日本経済が強かった頃(特にバブル期と言われた頃)、投資はより大きな利益を求めて不動産に集中しました。その時代で最も成功しそうで儲かりそうな事業に資金は集まってきますので、今は東京2020に向けたインフラ開発や整備にも投資されるようになってきているようですが、以前と同様に不動産にも投資されるようになり、東京周辺では地価やマンションの価格が大きく上昇しています。しかし、時代の先端をいくような事業にどれだけ投資されているか、という点では日本は十分とは言えないと感じます。

ベンチャーと呼ばれるような、小さな新しい会社が始める事業は、失敗するかもしれず儲からないかもしれないけれども、もしかしたら大当たりするかもしれない、というような内容です。こうした投機性の高い事業に対しては、既存の金融機関が融資することはありませんし、個人が投資するシステムもありませんでした。しかし、クラウドファインディングは、新しい仕事を資金面で応援するきわめて有効な投資方法となっていきそうで、その意味でクラウドファインディングそのものが、新しい仕事の部類に入ると思います。

東京2020に向けて、世の中にある剰余の資金は投資先を探し始めています。けれども、経済が好調な割には、賃金に反映されていないので、恩恵を受けるのは、新しいお金の流れを巧みにつかまえることができる人に限定されています。こうした新しいお金の流れが、社会を支える人たちの勤労意欲や道徳心を損なわなければよいと思います。

しかし一方で、こうした新しいお金の流れと、今までに存在しなかった仕事とで密接な関係ができ上がりつつあるのも間違いありません。時代の先端をつかまえることができる鋭い感覚は、お金の流れをしっかりとつかまえることや新しい仕事をつくり出すことと、新しいものづくりやデザインを創造することとで、どこか共通で似た能力であるように思えます。

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