3月9日(木)、東京都教職員研修センター視聴覚ホールにおいて、平成28年度(第69回)卒業証書授与式を挙行しました。4年生81名は晴れやかな表情で卒業を迎えました。 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます!       3月9日(木)、東京都教職員研修センター視聴覚ホールにおいて、平成28年度(第69回)卒業証書授与式を挙行しました。 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます! 【3/13に日にちを修正しました】 エルメスの手しごと展を見てきました。場所は表参道ヒルズです。 ところで、私の20歳代は日本の経済が一番強かったバブルの時代に重なります。津軽の田舎の県立高校を卒業し、久しぶりに東京に戻った私の目に映ったのは、世の中が経済、お金を中心に動いている資本主義絶頂の社会でした。株価や地価は右肩上がりの上昇を続け、日本の誇る製造業は世界を席巻し、企業の海外進出が急激に進んだ時代でした。世界中の高級ブランドが日本に入ってきて、20歳代の若者にとってはどれもこれも欲しくてならない品物ばかりでしたが、何せ高級品なので高価でなかなか買うことができない。エルメスだけでなく、フランスやイタリア、ドイツのブランド品を何とか安く手に入れて身に付けようと、今考えると、とても無駄な努力を結構真面目に一生懸命していました。 さて、エルメスの手しごと展は、そのフランスの高級ブランドであるエルメスの職人が、実際に作業をしながら説明を行うというイベントです。私が行った時は、午後の一番混んでいた時間かもしれません。入場規制が行われ、入場するのに20分ぐらいかかりました。 デモンストレーションを行なっていた職人さんは、宝飾職人、時計職人、製版職人、手袋職人、ネクタイ職人、皮革職人、鞍つくり職人など、複数、多分野に渡ります。ガラス工房はVRで行われ、ペーパークラフトはタブレットで行うこともやっていました。 入り口から入場して左側に宝飾職人で、ブレスレットに極小のダイヤモンド粒を一粒ずつ、それこそ山ほど石留めしていました。アートクラフト科の彫金室で見たことがあるような工具が机の上に置かれ、職人さんは顕微鏡のような拡大鏡で作業個所を拡大しながら、ダイヤモンドをブレスレットに開けた穴に埋め、ダイヤの周りの金属を引き上げるようにかぎ爪をつくって、ダイヤを留める作業を行っていました。ブレスレット本体をどうやって作るかというと、やはりこれもアートクラフト科でやっているワックスの型に貴金属を流し込む技法でした。職人さんに質問したところ、ブレスレットのデザイナー、ワックスを削って鋳造する職人、石留めする職人は別人だそうですが、職人は一通りのことをできなければいけない、ということでした。使っている工具は自分で作ることも多くあり、金属が固いのでしょっちゅう工具の先端を削らなければならなくなる、ということでした。 宝飾の隣が時計職人で、その向かい側が食器の絵付け、さらに奥にはスカーフの原画をトレースする製版職人がデモをしていました。製版職人といっても、とてもエレガントでおしゃれなフランス女性で、宝飾の職人や時計職人、皮革の職人がいかにもオヤジ的職人風情を醸し出しているのと対照的でした。彼女の仕事はスカーフの原画がデザイナーから届けられると(手描きであることが多いそうです。)その原画をスキャンし、フォトショップを使って、大きなタブレット(ざっと横幅は80cm〜90cmはありそう)上で正確にかつ忠実にトレースすることでした。専用のペンを使い、グラフィックアーツ科やデザイン科が、通常のパソコン上で行なっているのと同じ作業を、その大きなタブレットで極めて緻密に細心の注意を払いながら行なっていました。今回は、デモ用に、日本の侍をモティーフにしたデザインを持ってきていて、その原画はとても細かく、作業がとても多くかかり、トレースするのに1000時間以上、1年間以上の時間を使ったそうです。 とにかく興味深いことがたくさんあったので、結構図々しくいろいろと職人さんに質問しましたが、通訳担当の人が職人さんのフランス語を丁寧に通訳してくださいました。実は展示を見る前から、仕事の分業体制はどうなっているのか、デザインと職人の仕事分担はどうなっているのかを聞いてみたいと思っていて、そのことを聞ける限り聞いてみたところ、デザイナーと職人とははっきり仕事が分かれており、職人の中でも作業の持ち分がはっきり分かれていることが分かりました。 このイベントは結構大々的に宣伝されていて、マスコミにも取り上げられています。マスコミの論調は、なぜエルメスが高級ブランドなのか、高価であるのか、といった切り口であることが多いですが、私にはそんなことよりも、19世紀にヨーロッパで確立したフランスやイタリア、ドイツの手工業、職人技による工業製品を、明治期の日本人がどうにかして日本でもできるようにしたいと考え、その技術を必死に輸入したこと、そして輸入されたヨーロッパの技術が、日本の江戸期に確立していた独自の技術や手法と融合し、今、現在の都立工芸高校の授業として毎日行われてることに強い感動を覚えました。 エルメスの手しごと展は3月19日まででしかも13日は休みです。期間が短いのですが皆さん是非見に行ってください。決して損はありません。入場無料です。 ジュエリータウンおかちまちが主催する「第12回 全国ジュエリーデザイン画コンテスト」において、アートクラフト科3年の佐藤  麻央さんの作品「ring to the sky」が奨励賞を受賞しました。 また、平成27年度アートクラフト科卒業生の堤 和花菜さんはWEB投票・会場投票で 1位を獲得し、東京商工会議所会頭賞を受賞しています。 画像は佐藤さんと堤さんの受賞作品のデザイン画です。 以下のサイトから、詳細をご覧になれます(外部サイトが開きます)。
第12回 ジュエリーデザイン画コンテスト 入賞発表
     
ただ今、卒業証書をお渡しした卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。そして、今まで暖かくお子様を見守り、今日の日を迎えられました保護者の皆さま、誠におめでとうございます。
 また、卒業式の開催にあたりまして、ご来賓の皆様には、ご多忙中にもかかわらずご参列いただきましたことを、心より御礼申し上げます。
 
さて、あらためて言うまでもなく、都立工芸高校は、ものづくりとデザインを学ぶ都内唯一の専門高校として、これまでも多くの卒業生を送り出してきました。今のこの席にいる卒業生の皆さんも、各科による専門性、学習内容の違いはありますが、幾多の課題制作、実習授業を乗り越え、知識と技術を身に付けて、今日の日を迎えました。
私は、都立工芸高校で生徒たちが学んでいるものづくりやデザインは、これからますます社会から必要とされるようになるだろうと考えています。例えば我が国における少子高齢化は一層進んでいますが、この少子高齢化は日本だけの問題ではなく、お隣の韓国や中国をはじめ、世界中の多くの国で急激に進んでいると言われています。
高齢化した社会で求められるのは、これまで以上に安全で、かつ安心して生活できる環境であり、使いやすい身の回りの品々であることは言うまでもありません。若くて元気で体が自由に利くときには気にならなかったことが、年を取ると、とても大きな障害となり、生活しにくさ、不便さを発生させていくことになります。年を取っていろいろと不自由が起きるようになってきても、若くて元気な人と同じ生活の質を共有できるようにしていかなければなりません。こうした考え方は、一般的にバリアフリーやユニバーサルデザインとして、今や多くの人々に受け入れられています。インターネットを検索すると、ユニバーサルデザインの商品を多数見ることができますが、こうした新しい考え方を具体的に進めていくことができるのは、ものづくりやデザインを学んでいる都立工芸高校の卒業生ではないかと思います。

卒業生の皆さんは進学する人、就職する人、進路は様々でありますし、今、心に抱いている将来の夢も多種多用であると思います。広告デザイナーになって自分の作品が街中で貼り出されるようになりたい、宝飾デザイナーになってブライダルジュエリーのデザインを手掛けるようになりたい、使った人誰もが便利さを感じる家具のデザインをやってみたい、などなど、就職先の会社での仕事への夢、大学で勉強したいことの希望、いろんな夢や希望をもっていると思います。そうした夢や希望は、都立工芸高校を卒業する皆さんしかもつことができないものであり、他の高校では学ぶことができない「デザイン」や「ものづくり」を学んだ皆さんだけがもつことができる夢や希望であると考えます。そして、その夢や希望を、みなさんが進路先で実現することが、例えばバリアフリーやユニバーサルデザインといった新しい考え方が一層社会の中で進んでいくような、これからの社会全体の在り方やライフスタイルの革新、進歩につながっていくと信じています。

確かに皆さんが巣立っていくこれからの社会は、見通しのはっきりしない、不安定な社会であるかもしれません。国際協調を否定するような不寛容な考え方が台頭してきています。紛争やテロ、難民の問題はなかなか解決の糸口を見つけることができません。世界人口の増加、資源や食糧の争奪、地球環境の悪化、富の偏在といったいろんな世界的な課題があるとともに、我が国においても自然災害が度重なって発生するなどの不安もあります。東京2020に向けて日本の社会全体が盛り上がっていこうとしている反面、平和で豊かな社会をどうやって維持していくかということも考えていかなければなりません。

しかし、これからの社会がどのように変化していっても、卒業生の皆さんが、自分の夢や希望を達成するという目的のために、自分の人生を自分でデザインできる、そういう人になっていって欲しい、皆さん一人一人が自分自身の人生のデザイナーでいて欲しい、と願っています。
そのためには社会の将来を見通す先見性をもち、自分の知識や技術を常に新しいものにしていく努力を継続し続けるとともに、様々な人とのコミュニケーションを厭わない態度も必要になってくることでしょう
繰り返しますが、みなさんは自分自身の人生のデザイナーにならなければなりません。自分の意思で自分の人生を切り拓き、夢や希望を実現するための努力、目的を達成するための能力をもつことを願っています。

毎回繰り返してきましたが、優れたものづくりは人類の進歩と福祉につながり、美しいデザイン人々を幸せにすると考えています。皆さんには、工芸高校卒業後にますます自分の力を磨き、世界の人々、社会全体に幸せをもたらす人になってもらいたいと思います。

最後になりましたが、保護者の皆様には工芸高校の教育活動に御理解と御協力を賜り、本当にありがとうございました。心から御礼を申し上げ式辞といたします。 第5回OAC学生アイデアで社会をよりよくするコンテスト(主催:公益社団法人日本広告制作協会(OAC))において。2年グラフィックアーツ科 長谷川 蘭さんがOACブロンズ チェンジメーカー「宣伝会議賞」を受賞しました。コンテストは、自分で課題を発見し、社会をよりよくするためのクリエイティブなアイデアで解決策を提案したものをA3にまとめるという内容で、冬休みの課題として取り組みました。大学生の参加がほとんどで、高校生の入賞は長谷川さんだけでした。おめでとうございます! 第5回OAC学生アイデアで社会をよりよくするコンテスト 受賞作品発表! 【上記のリンクをクリックするとOACのサイトが別ウインドで開きます】 画像は賞をいただいた長谷川さんのアイデアです。 以下の日程で二次募集を実施いたします。   〇出願期間 平成29年3月23日(木曜日)午後3時から午後7時まで 〇検査日 平成29年3月28日(火曜日) 〇募集科 マシンクラフト科      15名 アートクラフト科       8名 インテリア科       16名 グラフィックアーツ科  6名   詳細は以下、東京都教育委員会のHPをご覧ください。 www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/2017/pr170306.html 3月3日(金)~5日(日)の3日間、東京都美術館にて「2017卒展」を行いました。 会期中は3,500名近くの方にご来場いただき、ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。 写真は各学科の作品展示の様子です。 3月2日から東京都美術館で今年も卒展が開催されました。期間中大勢の方々に御来場いただきましたことを、この場をお借りして御礼申し上げます。そして、卒展に作品を展示するために、ずっと頑張ってきた3年生、また期間中の案内係を務めた3年生お疲れ様でした。
今年も卒業生の作品の完成度は例年に負けず劣らず高いものでした。全体を見終わった後に作品が心にいつまでも残るような印象の強い作品がいくつもありました。若者らしい思い切りとんがった作品、心に秘めている思いを一気に爆発させそれを形にいたような作品、ターゲットを明確にし、その想定に基づいたニーズをきっちりと反映させた作品、先生に教わった職人技をしっかりと習得したことが伝わってくる作品、すぐに売り物として通用するだろう作品、分野やカテゴリーにこだわらず、クリエイターとしての将来性を感じさせる作品など、じっくりと見ていると一つ一つの作品からいろんなことを感じ取ることができました。
作品に対する感想を求めるノートやメモにはいろんな意見や感想が寄せられたと思いますが、卒業していく3年生は励ましや称賛の感想ばかりではなく、辛口の意見や批評も真摯に受け止め、これからの作品制作に生かしてください。特に、グラフィックアーツ科の商品広告ポスターには、今年も多くの会社様から御批評、御指導をいただきました。直接御礼を申し上げるべきところ大変失礼ではありますが、この場を借りて厚く御礼申し上げます。会社様の中には御担当様だけではなく、関係部署全員の社員様の御意見をくださったところもありました。本当にありがとうございました。高校生の授業での作品制作に対する感想の域を超えて、広告ポスターを専門としているデザイナーにクライアントの視点で御意見をいただきました。とても勉強になったと感じております。
都立工芸の生徒に求められる到達レベルは、卒業段階でその専門分野の会社、事業所等で、社員として基礎や基本のことはすべて一人前にこなしながら仕事ができるレベルです。もちろん全日制も定時制も、大勢の生徒が美術系の大学や専門学校に進学しますので、都立工芸を卒業後も勉強を続けていくことは当たり前ではありますが、卒業の段階で、社会が求める一定のレベル以上の力を身に付けていることが大事です。そのためにたくさんの課題を制作し、専門の先生方から知識や技術を教わります。
工芸祭の作品展示もそうですが、卒展も都立工芸の原点はどこにあるのか、ということをあらためて考えさせられ、感じさせられる展示でありました。そして、今回の展示を見た中学生の皆さん、またその保護者の皆様、都立工芸に来ると、とても創造的な勉強ができることがお分かりいただけたと思います。水道橋駅前の大きな校舎でお待ちしています。
平成29年1月25日(水)に後期生徒総会、生徒会選挙が行われました。