6月17日(土)東京都庁第一本庁舎大会議場にて平成29年度高校生夕張キャンプ第Ⅰ期選抜大会にグラフィックアーツ科2年生の有志5名が一チーム参加しました。 夕張キャンプ選抜大会は日頃の学習の取組を発表し、その取組の成果を生かして、夕張市が抱えている課題に対して、解決に向けた提案を行うとともに提案を実現させるために夕張キャンプ第Ⅰ期で何がしたいかプレゼンテーションのコンテストで今年で6回目の大会です。 昨年の大会から課題が具体的になり、今年度の課題はさらにブラッシュアップされよりシンプルになりました。「課題1:夕張メロンの魅力発信」「課題2:新しい「夕張」グルメの提案」「課題3:観光資源を活用した夕張のPR方法」この3つの課題の中から「課題1:夕張メロンの魅力発信」を選び、4月から準備に取り組んで大会に参加しました。 参加した都立専門高校12チームが日頃の実習の成果を発表しアイデアを競い合い、その中からみごと優秀賞に選ばれ、7月24日~27日の4日間、夕張市に派遣されることが決まりました。工芸高校グラフィックアーツ科としては3年連続、4回目の派遣になります。東京都の代表として夕張でさらなる活躍を期待します! 都立工芸高校からは毎年次世代リーダー育成道場に応募する生徒がいて、生徒たちの中に海外留学に関心が高いことを感じます。次世代リーダー育成道場とは東京都教育委員会が行なっているアメリカやオーストラリアへの海外留学推進事業です。最長1年間の海外留学のかかる費用のうち何割かを東京都が負担してくれます。
この次世代リーダー育成道場を利用して海外留学を体験した生徒たちの話を聞くと、最初の何週間かは慣れない生活で、英語が分からなくて苦労をするけれども、相手が言っていることもすぐに分かるようになるし、こちらが伝えたいことも相手に理解してもらえるようになるので、そんなに苦労せずに学校やホームステイ先でコミュニケーションが取れるようになったと言っていました。そして、海外留学期間のおしまいが近づくと日本に帰りたいけれども、もっとこのまま海外の学校で勉強していたい気持ちがとても強くなるそうです。
ちなみに次世代リーダー育成道場のホームページには、体験レポートが掲載されています。例えばアメリカに留学して地域の野球チームに参加した生徒のレポートです。
『私がアメリカに行って一番学んだことは、アメリカに行ったからといって、何でもアメリカ人のやり方に合わせる必要はないということです。言い換えると、ジャパニーズウェイは世界で通用するということです。具体的に野球に例えて言うと、私はアメリカで野球をしていた時、初めはアメリカ人の桁違いのパワーを目の当たりにして、どうにかして彼らより遠くに飛ばせるホームランバッターになろうということばかりを考えて練習をしていました。最初は、なかなか思うようなプレーができなかったのですが、ある時パワーで勝負するのを諦め、日本野球の得意とする技術的でスピードのある選手としてアピールした方がいいと気が付きました。その結果、一番センターとしてレギュラーを取り、足の速さと出塁率の高さを生かしてチームの勝利にも貢献できるようになりました。「日本流のやり方で世界に挑む」これはスポーツだけでなくあらゆることにおいて言えることで、これから留学に行く人、行こうか迷っている人に一番伝えたいことです。』
若い時に自分が育った文化圏とは全く異なる文化圏で生活し、学習することが、その人のその後の視野の広さや考え方の柔軟性を育てることは言うまでもないことです。やはり問題は、生徒が1年間海外で全く知らない外国人の家にホームステイしながら、外国の学校で勉強しようというチャレンジ精神をもつことができるか、という点にかかっています。
よく言われることは、最近の若者は内向き思考で海外留学や海外での仕事に挑戦しようとしないということです。都立工芸高校の生徒たちは、全都内から通学してきます。中学校から高校を選ぶ段階で自分がやりたいことのために、地元を飛び出して新しい環境に挑戦しようと考えた人たちだと思います。中学校から高校に進学するときに、各区市に何校ずつかある普通科都立高校を選んだ人たちの中には、学校選びの大きな理由が家から近くて通いやすいということである場合があり、そういった思考方法では海外留学に挑戦するようなチャレンジ精神は生まれてこないでしょう。
次世代リーダー育成道場で、東京都教育委員会から紹介されるアメリカやオーストラリアの高校は、都立工芸高校のような専門的な技術や技能を学習する学校ではありませんが、異文化に触れること、全くこれまでと考え方の異なる人たちの家にホームステイすることで得られるエネルギーや人間としての可能性の広がりは何にも代え難い経験であるように思います。
ぜひ内向き思考を打破しましょう。そして世界を舞台として活躍できるクリエイター、デザイナー、クラフトマンを目指しましょう。それだけのパワーが工芸生にはあると信じています。