2016
11.28

子供と進路について話をしましょう(「PTAだより」より再掲)

工芸高校の生徒たちは、将来自分のやりたいことが高校入学時からはっきりしている場合が多いように感じます。たくさんの課題を制作してきましたので大半の生徒たちは、学んだことを生かした進学選択、職業選択を希望していることでしょう。
「○○美術大学のAO入試を受験したい。」「株式会社○○に就職したい。」という具体的な話が、お子さんが思い立った時に保護者の方にあると思います。そんな時に「美大のことは分からないから、おまえが決めればいい」「自分の人生だから、就職する会社は自分で決めなさい」と言ってしまいがちです。子供を一人立ちさせるために、時には突き放すことも必要ですが、どうしてその大学を選んだのか、会社を選んだのかをしっかり聞き、お子さんとお話しして欲しいと思います。
「美大のことが分からないから、○○美術大学はどんな大学が教えて欲しい」「その○○美術大学で何を学び、卒業後にどんな就職を考えているのか?」「株式会社○○の仕事はどんな内容なのか?」、「その会社には工芸高校の先輩は就職しているのか?」といったことをお子さんによく聞き、そこから始まるお子さんとの会話でじっくりと進路についてお話しすることをぜひお願いしたいと思います。
なぜこういう一見当たり前のことをお願いするかというと、もちろんお子さんの進路志望を保護者の皆様によく知ってもらって、学校と相談してほしいということもありますが、お子さんがなかなか言えない進路上の悩みや不安を、保護者がいつでも聞くという姿勢をもつことが、これからお子さんが前向きに進路に取り組む大前提であるからと考えるからです。
しかし、それだけはなく卒業後に大学に進学したり、会社に就職したりした新しい年度の4月以降、仮にお子さんが新しい環境でくじけそうになっても、自分の進路決定を保護者の理解を得られている安心感、困ったときに一番近い大人に相談できる安心感をもつことがとても大事だと考えるからです。
高校卒業はゴールではなく、社会に向けての新しいスタートで、進路先で子供たちは自分で自分の生きる道を切り開いていかねばなりません。しかし、現実としてせっかく入学した大学を5月で退学したり、就職した企業を3か月で退社したりする若者が多いのも事実です。生徒たちが最も自分にふさわしい進路選択ができるように、じっくりと保護者とお子さんとで進路についてよくお話しいただきますよう、よろしくお願いをいたします。

2016
11.25

ネットワークを取り巻く状況1

3月末のNHKスペシャル「映像の世紀」は印象的な内容でした。
今、世界中の人がスマートフォンを所持していて、すぐに動画を撮影し、それを投稿することで世界中の人に発信することができる、その動画を見た大勢の人々が起こす社会的な動きは、ものすごく大きなうねりとなって、国家体制を崩壊させるなどの歴史的な事件を起こすに至っている。さらに、こうした映像、動画の力を知った過激派組織や武装勢力は意図的な映像発信を行い、世界中でのテロにもつながっていくようになっている、という内容でした。
この番組を見て、コンピュータやネットワークがもはや人間のコントロールの効かない状況になりつつあるのではないか、という危惧を感じました。工芸高校では今年度も外部の方にも来ていただいて、SNSの使用の注意などいろいろと学習しました。ネットワーク上の本当かウソか分からない映像や言葉に含まれる悪意が現実の世界に持ち込まれ、憎しみを増幅させて、関係ない人にまで影響を及ぼすという点において、私たちの身の回りで起こるSNSでのトラブルも、過激派の情報操作によって起こるテロも、実は一線上にあるのかもしれません。
コンピュータやネットワーク上の情報は、一面的であることが多く、ものごとのもつ多面性が一切無視され、善か悪か、○か×か、という二者択一の判断となってしまっています。その延長線上に、テロに代表されるような、自分の考える正義のためには、無関係の人まで巻き込んで他人を傷つけてよい、ということが正当化されているのではないか。自分の主義、主張のために何をしてもよいという考え方や、自分の正義のために手段を択ばない状況が、世界を荒廃させ、人々を不幸にしているように思います。
「他の人の心の痛みに気が付くことができる人」であること、「困っている人を助けるために自分から何かをしてあげようとする気持ちがある人」であることは、人間普遍の精神性です。そして、こうした当たり前の人間性や精神性は、知識や教養を身に付けることで、ますます磨かれていき、多くの人に受け入れられる様々な作品やデザイン制作につながるように思います。

2016
11.24

校長ブログ開設にあたって

都立工芸高校は110年の歴史をもち、大勢の卒業生の方を世の中に送り出してきました。本校卒業生の方は、日本の工業、工芸、デザインをリードし、クリエイティブな仕事で高い業績を上げ、社会の発展に大きな役割を果してきました。
110年の歴史の中で都立工芸には、その時期毎の明確なミッションがあったように感じます。これは日本全体の動向ときわめて密接に連動して、学校としての方向性を保持し続けてきたからだと考えます。しかし、21世紀も16年が経過し、日本と世界はますます流動性を高めている状況となってきています。こうした日本の状況や世界動向の中で、都立工芸のミッションと方向性を常に探っていかなければなりません。
校長として考えていること、感じたことをいろんなところでお話してきましたが、その時その場所にいらっしゃる方だけにしかお伝えできません。校長ブログを開設することで、御覧になった皆様にお読みいただければと思います。偏った見方をしていることもあるかもしれませんが、そのときは御指摘いただき、より良い都立工芸の在り方を考えていきたいと思います。

2016
11.08

校長講話「オリンピック」

皆さん元気に2学期を迎えたでしょうか?

この夏はオリンピック一色でした。私はオリンピックのテレビ放送を見たくて毎朝早起きして、寝不足気味の夏休みでした。萩野さんや内村さんの活躍に一喜一憂し、アンカーのケンブリッジ選手に声援を送りました。「取り返しのつかないことになった。本当に申し訳ありません。」と泣く吉田さんに「そんなことはない、がんばった、がんばった。」と言いながらテレビの画面をなでたのは、私だけではないと思います。

オリンピックの開会式はとても印象的なパフォーマンスでした。ブラジルの歴史を示すパフォーマンスでは、先住民が暮らすブラジルへのポルトガル人の到来、さらに奴隷として強制的に連れてこられたアフリカ人、アラビア人や日本人など移民のパフォーマンスもありました。現在のブラジルはこうした人々の子孫によって、多様な人々を受け入れる国になっていると聞きます。貧富の差もあり経済や政治の混乱があるとは言いながらも、多様性を受け入れているのは素晴らしいと思います。

現在世界には原理主義を主張する人々が大勢います。原理主義を一概に悪く言うつもりはありませんが、原理主義は多様性を一切認めない考えが強いように感じます。私たちの心の中には自分と異質のものを排除したいという願望がどうしてもあります。そして物事を白か黒か、○か、×かの選択だけで見てしまう考え方がどうしてもあります。

多様性を認める考え方とは、白、黒以外には灰色がある、○、×以外には△もある、それはそれでもいいじゃないかという考え方です。私は、これからの世界には、こうした二者拓一ではない考え方、どちらともつかないけれども、自分とは違うけれども、あなたの考え方、価値観は認めていきます、という姿勢が大勢の人々の幸せにつながると私は思います。

多様性を認めることが世界を豊かにし、また、その国を豊かにします。学校も多様性を認めることが、その学校を豊かにするに違いありません。ぜひみなさんもクラスや学年の友達の考え方が自分と異なることがあってもその価値を認め、多様性による豊かな学校、豊かな社会の実現に心がけてもらいたいと思います。

9月5日からはパラリンピックが始まります。パラリンピックでも多くのドラマが生まれることが期待できますね。とても楽しみです。
また、2学期は工芸祭があります。最上級生は進路を決定していかなければなりません。盛りだくさんの2学期です。多くの成果を上げることを期待しています。

2016
11.08

校長ブログ

都立工芸高等学校長の鳥屋尾です。
校長ブログを始めました。
これから日々の工芸高校に関わることをお伝えしていきます。 

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